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Vol.01 株式会社ブレインマークス様
経営コンサルティング会社がブランディングを行うことがまだ珍しかった時代。大手ならまだしも、社員10名ほどの中小企業ではほとんど前例が無かったのではないでしょうか。アストラカンのZPブランディング事業によりロゴマークを作り、社内外に企業イメージを浸透させていったコンサルティング会社、ブレインマークス。どのようなプロセスを経て確固たるブランドが生まれたのか、代表取締役の安東邦彦氏に、弊社代表の有澤卓也が伺いました。
- ZP®(ずっとパートナーズ®)ブランディング
- 30年以上にわたり、企業や学校、自治体などの様々な広告・ブランドづくりに携わってきたアストラカン。その中で培った、“自社では気づけない魅⼒を際⽴たせる技術”を強みに、中長期的な視点でブランディング支援を行い、クリエイティブ・パートナーとして伴走していくオリジナルプログラムです。
統一感の無かった制作物
―お二人の出会いについて教えてください。
安東:出会いは2016年頃ですかね。当時僕はブランディングにすごく興味があったんです。ただ、ブランディングをお願いするパートナーは当然ながら長くお付き合いしますから、決め手が難しいなというのが正直な感想でした。それから、私の中での理想のパートナーは、大企業と仕事をしている会社で、なおかつ中小企業とも仕事をするような会社さん。だって相棒は強い方が良いじゃないですか(笑)。
そんなときにちょうど私たちが主催する経営者層向けのワークショップに、有澤さんが参加されていました。有澤さん自身、大手広告代理店の制作パートナーとして活躍されてきた中、これからは中小企業と直で仕事をしていこうと思っているとの話を聞いて、「ぴったりじゃないか!」とすぐにお話を聞かせてもらうことになりました。
有澤:僕もちょうど自社でブランディング事業を始めようとしていたタイミングで、ブレインマークスさんはその第一号のお客様になりました。安東さんと初めてお打合せをしたときに社内で使われているツールを拝見したのですが、名刺や封筒、Webサイトなどのデザインがばらばらだったんです。制作物をA社、B社と別々に頼むのではなく、ビジョンを明確にして、ブランドロゴを軸に統一感を持ってツールを作るべきだとご提案しました。
安東:世の中の成長している会社さんがブランドで経営の柱を築いていることは気づいていたのですが、どうすれば良いかが分かりませんでした。だからあるWeb制作会社に提案されたWebサイトを作ってみたり、とあるパンフレット会社に提案されたパンフレットを作ってみたり…一つひとつは悪いものではないですが、色々なイメージでガチャガチャになっていましたね。ブレインマークスって一体何だろう?って感じになるんですよ。ロゴマークもサービスごとに作ったので、果たしていくつ作ったものか…(笑)。
有澤:安東さんは”アイデアマン“であり”商売人“だから、その都度作るものに思い入れが強いというのもありますよね。とにかくツールがばらばらだったので、同じ会社に見えなくなっていました(笑)。
安東:そこでまずは有澤さんに「ブランドって何?」「どういう考え方で進めるの?」というところから丁寧に教えていただきました。これまで制作された広告デザインの実績も見せてもらったんですが、もうずば抜けているんで、まずはちょっと信じてお願いしてみようかなと。そんな流れでしたね。
情熱の赤と、ぐるぐるマーク
―実際にブランディングを始めてみてどのように感じましたか?
安東:アストラカンさんにワークショップを進めていただく中で、ブレインマークスのアイデンティティを考えたりしていったんですけど、結局最後は自分たちの問題なんだなと気づきました。自分たちがどうしたいか、どんな会社を作りたいのか、どんな会社に見られたいのか。結局人に頼ってもだめなんだなと有澤さんに教えてもらった気がします。もちろん色々サポートいただくんですけど、自分が決めないといけないんだなと。自分自身が決まってないと、結局前と一緒で「これもいい、あれもいい」になってしまうんで。
有澤:ただ安東さんはものをつくるとか、デザインがとても好きですよね。色んな会社さんとやっていたからか、そこはすごく感じました。でもロゴマークなどは合議制で決めるものでもないので、最後は「やりたいものはこれだ」と決めないといけない。
―ブランディングをやる前は、頼んだら勝手にいいものが出来上がるようなイメージだったんですね。
安東:そうそう、どーんとロゴを提案されて「いいっすね!」みたいな。きっとなにかを見つけてくれるんだろうなと思っていました(笑)。
実は僕がいちばん悩んだのは色の部分で、コーポレートカラーを何にするかを決めるのにすごく時間がかかりましたね。最初はなんとなくコンサルティング会社なら知的な「青」かな?と思っていたのですが、アストラカンさんに提案いただいたのは「赤」だったので驚きましたよ。
有澤:毎回セッション形式のワークショップでやり取りをしていきました。社員さんたちの意見が行ったり来たりする場で、全体的には青色にしたいという声が多かったんですよ。コンサル会社だから「冷静な分析」とか「思考力」の意味合いですよね。でもブレインマークスさんは情熱の赤だろうと。
安東:コンサル会社で赤って「そんなのある?!」と驚いたんですが、世の中を見てみるとドコモや日本生命など、トップ企業でも赤を使ってることに気づかされました。私たちのように的を絞った中小企業のコンサルティングをやる企業ってあまりなくて、外資系の大きな企業しかなかったので、その中で目立つことをするなら赤でも構わないですからね。そこにたどり着くのにすごく時間がかかりました。実は前から僕ね、赤が好きだったし、後から考えれば最初から赤しかなかったんですよ。
有澤:そうそう、あのとき持ってたバッグも赤でした(笑)。やっぱり安東さんはエネルギッシュな人だから。
安東:最初は赤はちょっと嫌だという社員もいましたね。
有澤:だから全社員にこのプロセスを知ってもらうのは結構大事なことで、よく経営企画室の2、3人がコンサル会社の人と密室でブランド作りをやってしまうケースがあるんです。そうなると社員がロゴマークの背景をよく知らないから愛着を持てないじゃないですか。例えば営業活動するときに、どうしてこのマークなのかを話せないとおかしいと思うんです。それで「みんなでつくるブランディング」を標榜して我々はこの事業を始めました。ブランディングのプロセスをオープンにして、「こういう風に作ったんだよ」と言える会社の方が絶対に社員の理解も浸透も早いと思うんです。
安東:それまで自分の会社がどう見られるのがいいかを考えたこともなかったので、出張に行ってる最中もずっと考えてましたよ。世の中の看板見ながら、「へーこんなロゴあるんだ」って。ブランディングの過程の中で、改めて内省して、自分で考えるプロセスを経てようやくマークが決まったという感じでした。
有澤:このぐるぐるとした輪っかの形。ブレインマークスがお客様のために何度も何度も考えるという想いを込めた表現はすぐ決まりましたよね。
安東:この形を見たときにブレインマークスを思い出すだろうという感じが一瞬で伝わってきたので、これは即座に決まりましたね。
一体感のあるワンチームへ
―ロゴマークが完成してからの反響はいかがでしょうか?
安東:これだけ考え抜いたロゴができたのだからと、名刺もノートも、オフィスの内装も全てこのロゴをベースに作っていきました。やはり全部に統一感が出ましたよね。外部に対してのブランディングを意識してご依頼したんですけど、まず影響が大きかったのは内部でしょうか。ロゴができ、名刺ができてみんなの手元に配られただけでも、アイデンティティーを共有している人たちなんだというチーム感が生まれ、社員の気持ちがぐっと固まった感じがします。
新しく入社してくる人たちも、最初からすっと馴染んでくれています。やはりこのロゴが良いなと思うから来るわけです。だからワンチーム感はすごく出ます。このロゴのぐるぐるが象徴的じゃないですかね。
有澤:ロゴやツールは使い倒さないといけません。それこそどこで誰が何を見ているか分からないんで、あらゆるタッチポイントにこのぐるぐるがあるのはすごく良いと思いますね。
安東:お客様に対してのブランディング効果で言うと、後追いで来たなと思います。特に広告をやり出したら大きかった気がしますね。正直、有澤さんにご依頼したときには1億くらいの売上でしたけど、今では2.5億ほど、来期は3億は見えるかと思ってるくらいなんです。やはりクライアントからの見え方が統一されているというのは大きいです。
こうやってブランドをベースにしてオフィスも作っているので、「安東さんのロゴかっこいいですよね、どこで作ったんですか?」と言われることも多いです。いや実はアストラカンさんと作ったんだよねって話にもなりますよ。やはり見え方が全然違いますから。
―採用活動におけるブランディングの効果は感じますか?
安東:もうそれは全然違いますよ。最近採用にすごくこだわってまして、昨年は年間応募600人に対して、採用3人というレベルです。今は若干採用市場も苦しくなってはいますが、400人応募、3人ほど採用予定。集められる力がそれだけあるのは、ブランドの力が大きいと思います。
有澤:ブレインマークスさんはZPブランド事業を始めた第一号のお客様ということもあって本当に愛着があります。スタッフの人たちもほとんど知ってるし、安東さんの常にバイタリーティ溢れるところも尊敬していますし。まさしく熱血のブランド経営をされているなと思います。
―社内の組織作りの世界観はどのようなことを大切にされているのですか?
安東:常勝軍団を作りたい、高いレベルで仕事ができる集団にしたいと思ってるんですね。そのために仕事に集中してほしいんです。人間関係は良い方が良いし、会社の方向性に賛同できる人の方が頑張れる。だから仕事に集中すること以外は全部整えてあげたいという方針です。一点の曇りなくお客さんのために働ける環境をどうやって作ろうかと日々考えています。本当に成長している会社って実はそうなってるんですよ。みんな夢中でお客様のために一生懸命やってる。だからお客様のために頑張れる社風とか会社を作ることが常勝軍団なんです。
有澤:まさしく情熱、赤のチームですね(笑)。ホームページも赤で統一させていただきましたね。
安東:その時に、やっぱり働いてる自分がかっこいいと思えないといけなくて、そこでブランドがすごく重要になってきます。お客様のために頑張ってるけど、自分たちはボロボロみたいな環境って嫌じゃないですか。だから、お客様のためにめちゃくちゃ頑張っていて、周りから見たらお前もかっこいいよ!という気持ちにしてあげないとと思います。
―働いている自分がかっこいい環境を作るってすごく大事ですね。ブランドはその一翼を担っているかもしれません。
安東:めちゃくちゃ担っていますよ。先日、もう一つの事務所を作りまして、内装デザインにそんなにお金をかける必要はないのですが、費用をかけてデザイン性の高い会議室を作りました。こっちの本社がきれいでもう一つがボロボロだと、「向こうに行くのいやだな」と思うじゃないですか。他社でもあるんです、サテライトはかっこいいけど本社はそのままという企業が。この改装費用は無駄かなと悩んだりもするんですけど、やはりどの事務所で働いてもかっこいいと思える状態にしてあげることで、会社に対するロイヤリティも高まりますよね。
ブランド投資のタイミング
―ZPブランディングはどのような会社におすすめでしょうか?
安東:顧客との関係が大きく影響を与えるようなビジネスには、僕は絶対必要なんじゃないかなと思いますね。社内で一体感が出たのって、アイデンティティーに対して好き嫌いが生まれたからだと思うんです。ブレインマークスの世界観に対する好き嫌いがはっきりするじゃないですか。そう考えると、自社にマッチしたお客様を引き寄せてきて一つのチームを作る、そんな理想を想い描いている社長にはどうしても必要になるんじゃないかなと思います。
社員を引き寄せられるということは、お客様の方も引き寄せられると思うんです。ブレインマークスを好きな人はめっちゃ好きだけど、興味ない人は興味ないことがすごくはっきりした気がします。意外と人間って、かっこいいとか、かっこ悪いとかってすごく大きな判断基準にしていますから。
あと一定の業績は上がってきたけれども、もうワンランク上のステージに行きたいと思っている企業にはZPブランディングが必要だと思います。いつか通らなければならない道だと思うんですよ。具体的には売上1億、2億くらいの会社さんで、まだそこに投資余力が無いと思うかもしれないですけど、ここで投資するから3億、5億になる時にリターンが大きくなる気がします。だから従業員10~20人くらいだったら、もうそろそろブランドに投資するべきだと僕は思いますね。
有澤:初めはそこに気づかないんですよね。ブランドで売上をいくら上げられるの?採用は何人できるの?というように、目先の点でしか見てないから。ブランディングの効果は後からついてくるものですよね。
安東:売上に直結する感じが無いんですかね。リターンを3年ぐらいのスパンで見たら、楽々と入ってくるような気がします。それがまたずっと続きますし。
有澤:求人も一人にどれだけお金をかけるかと考えると、決して高いものじゃないっていう感じですね。
―クラウドソーシングでロゴを頼むのと何が違うんだろうというお客様もいるかもしれません。
安東:会社のあり方を表現しようとすると、やはりブランディングが必要ですよね。会社として顧客にどう見てもらいたいのか、逆にどういう印象を与えたいのか、その印象設計だと思います。印象設計までやろうと思ったら、クラウドソーシングのデザイナーに数万円でロゴを頼むには荷が重いです。
有澤:まさに印象設計ですね、内にも外にも、じわじわと効いて評価が高まってきます。その日に着る服だけだったら、クラウドソーシングで良いかもです(笑)。
―アストラカンに頼んで良かったところはありますか?
安東:うーん…全部良かったかと(笑)。僕は詳しくデザインのことは分かりませんが、やっぱり図抜けてますよね。見せ方に対するこだわりのようなものが、僕が今までお付き合いしてきた人たちとはやっぱり全然違うなと。単に良いものを作ってというよりも、そのものから表現展開される様々なツールまでこだわっているような気がしますね。あとは人がみんな良いです。柔らかい雰囲気ですごく親切。敷居が高くないところが良いなと思います。
―最後に安東さんにとって「ブランド」とは何ですか?
安東:ブランディングは印象設計なので、相手がどう思うかをこちら側から意図的に作り上げるものです。今回有澤さんにお手伝いいただきまして、コンサルティング会社の中で洗練されていて、情熱的で、成長しているという印象を、こちら側から発信していくことができるようになりました。相手側の人たちも正しくそれを受け取っていただける、それがブランディングの良さだと思うんですね。
そのブランドにふさわしいオフィスはどういうものなのか、ふさわしい服装はどういうものなのか、ふさわしい仕事ぶりはどんなものなのかと、その印象を崩さないようにしていけば、もっと会社が大きくなっていくんじゃないかと思うんです。僕は経営者の団体に色々所属していますけど、「ブレインマークスに見学に来たい」という話をいただくことが増えています。コンサルティング会社だったり、普通の企業から言ってもらえるときもあります。皆さんにモデルにしようと思ってもらえる企業になれたことがすごく誇らしいですね。
株式会社ブレインマークス
代表取締役 安東邦彦
1970年大阪府茨木市生まれ。
士業や保険営業のマーケティングを得意領域とし、
全国のクライアント500社以上を経営支援。
株式会社ASTRAKHAN
代表取締役 有澤卓也
クリエイティブディレクター兼コピーライター。
ZPブランディングディレクター。